株式会社SALT代表/株式会社ホンプロ CCO 須賀 大介 株式会社SALT代表/株式会社ホンプロ CCO 須賀 大介
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価値観でつながる、
企業の新しいパートナーシップ
価値観でつながる、
企業の新しい
パートナーシップ

株式会社SALT代表/株式会社ホンプロ CCO 須賀 大介

茨城県水戸市出身。大学卒業後、SEとして働き、2002年に東京で株式会社スマートデザインアソシエーション(現SALT)を設立。プロデューサーとして多くの企業のWEBマーケティングやシステム構築に関わる。2012年福岡に移住し「福岡移住計画」を立ち上げる。移住者の働く場所とコミュニティとしてコワーキングスペースの立ち上げを行政やデベロッパーと共に数多く手がける。

―須賀さんは福岡に移住されて、さまざまな場を運営されています。移住後の仕事について教えてください。

私は2002年に東京でIT企業を創業し、2012年に福岡に移住して10年が経ちました。福岡に来てからは、遊休不動産や空き家などを活用しながら地域の活性化やブランディングに関わっています。運営するワーキングスペースは東京と福岡を合わせて5拠点、宿泊施設は全国で10棟になりました。SALTには多様なスキルや経験を持つメンバーが約20人集まっています。

―仕事をする上で大切にしていることは何ですか?

私の人生のミッションは、「人の可能性を最大化する」ことだと考えています。一人ひとりが持っている個性、その人らしさを最大限発揮しながら、仕事や暮らしができるような社会をつくっていきたい。そのために会社を通して、また個人的にも活動しています。

―2021年ホンプロの取締役に就任されました。どんないきさつがあったのでしょう?

私の会社がワーケーションの取り組みをしていたところ、アドバンスさんも対馬でワーケーションなどをされているということで、双方を知る方が紹介してくれました。
伴さんは社労士事務所の代表なので、堅い雰囲気なのかなと勝手にイメージしてたのですが、お会いしてみるとすごく柔らかくて親しみやすい方でした。話が終わると「今日はキャンプなんです」とうれしそうに走って帰られる姿が印象に残っています。

―それからお付き合いが始まったのですね。

弟の真介さんが釣り好きということで、まずは何度か釣りをご一緒しました。真介さんはアドバンスの方やいろいろな方を連れてこられて、いつも楽しく、話すうちに考え方が合うなあと感じていました。「ワーケーションは会議というより、価値観がつながる時間として大切」という話になり、ふたりで共感しました。
その後、お兄さんの芳夫さんがブッシュクラフトにハマっていると聞き、伴兄弟と私の3人で今宿の高祖山に登りました。頂上でコーヒーを飲みながら、ワーケーションのことなどを3時間ほど語り合ったでしょうか。会社の枠を越えて価値観が近く、おふたりとだったらものすごく面白いことができると確信しました。福岡から働き方の未来を創っていこう、文化として発信しようと意気投合。業務提携におさまらず、出資し合うことにしました。私の会社では、これまでも出資の話はいろいろありましたが、実現したのはこれが初めて。新しいステージに踏み出しました。

―意気込みを聞かせてください。

ワーキングスペースを運営するまちづくり会社と社労士事務所が提携するというのは、かなり稀で驚かれたかもしれません。しかし、伴さんたちは法律の専門家として、日々さまざまな会社の労働環境をより良くするために取り組まれています。一方で私たちSALTは、場を通して人々の働き方を変えていこうとしている。この2社が連携することで無限の可能性が広がっていくと考えています。さっそく2社連携でセミナーを開催したりしています。

―連携したことで、何か変わったことはありますか?

アドバンスさんは、これまでSALTではアプローチできなかったような大企業や多種多様なクライアントを抱えられています。そのような方々をSALTにお連れいただき、来られた方々も新たな世界をのぞきみて、大いに刺激を受けられているようです。2社で連携したことで、お互いのまわりにいる方々に新たな気づきが生まれているのではないでしょうか。

―須賀さんの趣味について教えてください。

コロナが広がる前は、登山が趣味でした。近くの低山に登ったり、年に5回ほどはテント泊をしたり。コロナ禍になってから釣りを始めて、キャンピングカーも購入し、今は登山と海釣り、キャンプ、シーカヤックと野外活動全般が趣味になっています。

―須賀さんにとって、趣味の時間にはどんな効果がありますか?

自然とつながることで、自分のビジョンがクリアになり、長期的な視野に立てる気がします。日常の業務で忙しくしていると、どうしても自分の中心軸を見失いがちです。定期的に自然の中に身を置くことで、本当に自分がやりたいことは何だろうとか、スタッフとの関わりで大事にしたいことは何だろうとか、そういった問いを見つめ直すようにしています。

―無になるというより、思考を深めているのですね。

確かに無になる時間帯もあります。舟に乗って海に出て、まわりに人工物がない中で幻想的な夕陽を眺めたり、ソロキャンプでひとり星空を見上げたり。いったん無になるからこそ、シンプルに考えて、本当に大切なことが見えてくるのかもしれませんね。

―東京で働いていたときも、野外活動をされていたのですか?

全然できなかったので、コーチングを受けたりして、自分を取り戻す時間をつくっていました。でも、福岡に移住してからは自然に入って問いを研ぎ澄ますことで、経営者としてのビジョンをメンバーに伝えられるようになりました。
福岡に来てから、経営や組織づくりが以前より豊かになったという実感があります。そんな体験を他の人にも広めていきたいと考えていたところ、価値観の近い伴さんと出会い、一緒にカルチャーを創っていけることがすごくうれしくて、ワクワクしています。

―具体的な手ごたえはありますか?

最近、東京海上日動さんが全社員を対象として、SALTをご利用いただくようになりました。大企業で、しかもお堅い保険業界が新しい働き方を受け入れられたことは、コロナ禍を経て社会が変わってきたことの一つの象徴ではないかと捉えています。

ワーケーションやリモートワーク、ワーキングスペースなどの言葉は、社会的に少しずつ浸透してきました。それが一時的な盛り上がりで終わらないように、特別なこととして「よっこらしょと腰を上げてワーケーションをしました」とならないように、日常的にやっている会社を福岡から生み出していきたい。福岡のさまざまな会社や行政などと連携しながら、ビジョンを実践し発信することで、ひとつずつ事例を増やして新しい働き方のカルチャーを創っていきます。